ある依存症のロボットの話

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あるゴミ捨て場にロボットがおりました。

 

みんながゴミを捨てていく中、ロボットはあるものを見つけました。

 

『あ、電池だ。』

 

よろよろと自分のお腹につけてみると・・

 

『動ける!電池があるといっぱい動けるぞ!』

 

それからロボットはいろんな所に行けるようになりました。

 

初めて山に登ったり、大きな海も見れました。

 

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いつの間にか友達も出来て、自分を好きになってくれるロボットもいました。

 

『動けるって楽しいなぁ。』

 

それからロボットはたくさん動き回りましたが、そうすると嫌な事もありました。

 

『お前汚いからあっちいけ』

 

『もう話しかけないでくれよ』

 

ロボットは心がザワザワしてどうしようもなくなりました。

 

そんな時です。

 

ロボットは電池を沢山使うと自分の手が光る事に気が付きました。

 

『なんだか凄く落ち着くなぁ。』

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それからは嫌な事があるとすぐに手を光らせるようになりました。

 

『電池がすぐになくなっちゃうけど、また探せば良いや。』

 

それからしばらく経ったある日。

 

ロボットにまた嫌な事がありました。すぐに手を光らそうとしますが

 

『・・あれ?光らない。』

 

おかしいな。どうしよう。ロボットは不安で仕方がなくなりました。

 

『電池切れだ。』

 

ようやくロボットは気が付きました。

 

でも、もう動けないので電池を探す事も出来ません。

 

『そうだ。僕の事を好きでいてくれた子がいる。あの子に頼もう。』

 

ロボットが思った通り、あの子はすぐに電池を持ってきてくれました。

 

『ありがとう。ありがとう。』

 

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ロボットは生まれて初めて涙を流しました。

 

 

ですが、

 

ロボットは毎日いっぱい動いて、いっぱい手を光らせます。

 

また同じ事になりました。

 

『また電池切れだ。あの子に頼もう。』

 

あの子はまた電池を持ってきてくれました。

 

『いつもありがとう。』

 

ただ、もうロボットから涙は出てきません。

 

その後もロボットは同じ様に毎日過ごしました。

 

『ごめん、また電池を持ってきて。』

 

いつもの様にあの子に頼みますが、

 

『・・・。』

 

返事がありません。

 

『聞こえてる?早く電池をもってきてよ!』

 

『・・・。』

 

しばらく怒ってようやくロボットは気が付きました。

 

『この子の電池が・・ない。』

 

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よくよく考えれば、自分もやっとの思いで手にした電池でした。

 

そんな簡単に手に入るはずがありません。

 

『まさか僕の為に自分の電池を・・。』

 

そこでロボットは2回目の涙を流しました。

 

もっと早く気付いていたら。』

ちゃんと考えて電池を使っていたら。』

 

いっぱい後悔しても、涙を流しても、あの子は動きません。ロボットも動けません。

 

薄れる意識の中でロボットは思いました。

 

『もし次、電池が手に入ったら一番にあの子に渡そう。』

 

 

そして、

ロボットはもう2度と動く事はありませんでした。

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■電池=お金   ■ランプ=ギャンブル ■あの子=??