こんにちは!
こちら見て頂きありがとうございます!
依存症の治療は、まず依存している行動を辞めて、次にその行動を「辞め続ける」という状態になります。
今回はこの辞め続けている時期のスリップに関して私の考えを書かせて頂きます。
スリップについて
ギャンブル依存症になり、病院や自助グループへの参加、または1人で必死に我慢してギャンブルに依存している生活から離れたとして、次に課題になるのは「再発の防止」です。
つまりは、また毎日ギャンブルをしてお金や人間関係のトラブルを引き起こす状態に戻らない様にするという事が課題です。
そしてその課題と向き合っていくあたって1番恐いのが「スリップ」です。
アルコール依存症から流れてきた言葉ですが、ギャンブル依存症では我慢していたギャンブルを1度やってしまう事をさします。
そして私はこの「スリップ」の位置づけを病院でこの様に聞きました。
再発の1歩前がスリップです。
ですが、情報に触れているとなんか違う感じがするんです。。
色々な情報を見ていると「スリップ=再発」になっています。
この結果、長期間離れていたギャンブルをまた1度してしまった人は「また逆戻りだ」「どうせもう辞められない」と言い治療に戻らなくなります。
個人的にこれが1番問題かと思います。
大きな勘違い
本当に防ぐべきは「再発」です。
「スリップ」は一番再発に近い状態で間違いないですが、まだ前と全く同じ状態に戻ったわけではありません。
ギャンブル依存症は日常的にギャンブルを行い、日常生活に支障が出ているのに辞めれない状態をさすのではなかったでしょうか。
それであれば、まだ「日常的に」という点で戻ってはいないはずです。
もっと言えば、本来の目的としてはギャンブルによって借金や嘘を重ねて人間関係が崩れていく事を防ぐ為に治療しているはずです。
スリップした時点では借金もしていないはずです。嘘もまだついていないのではないでしょうか。
「スリップ」した時は元々の治療の目的を改めて思い出すべきかと思います。
そしてまだ間に合う事を自覚し、間違っても「借金」「嘘」を重ねないようにするべきかと思います。
スリップした時にどうするか
「スリップ=再発」との認識していれば、スリップした場合はもう終わりなので諦めて、またとことんギャンブルにのめり込むか、
辞めれない事を受け入れていわゆる「適パチ」のような形で、「いかに借金しないか」「いかに日常生活に支障をきたさない様にするか」を目標に変えてまたギャンブルをするしかないように思うかもしれません。
「どうせ俺は・・」「こんな人生だ・・」とまた昔の様に自己否定に走るかもしれません。周りに「もう大丈夫」「絶対辞めれる」と言っていれば気まずさ、申し訳なさから関係自体を断つかもしれません。
(ちなみにもし私がスリップしてもそうします。こんなブログは書いているのが恥ずかしくなり、即消します。)
ですが、実際は違います。まだ「再発」ではない状態です。
本当にスリップをした時にするべきは「借金」「嘘」を重ねることなく、今まで辞める事ができた治療を信じて、再度取り組む事かと思います。
更に言えば何故自分は「スリップ」してしまったのだろうという振り返りをする事が大事だと思います。
特殊な環境にあったのかもしれません。
いつもしていた治療を怠っていたのかもしれません。
スリップの原因を見つける事で、「日常的なスリップ=再発」を阻止するべきです。
ギャンブル依存症治療の問題点
私が考えるギャンブル依存症治療の問題点の1つにこの「スリップ」があります。
「スリップ」と一度検索してみればわかりますが、明らかに「再発」と混合している情報が多すぎます。本来の病気の問題点なんか無視です。
もしかすると「スリップは再発じゃないなら1回くらいは良いのか!」と安易に手をだし、再発してしまうのを防ぐ為に「スリップしたら終わり」としているのかもしれんが、そもそも治療を諦めてしまえばそれで終わりです。
依存性の治療の例えで「糖尿病」があげられたりもしますが、あの病気も「慢性的に血糖値が高い状態」になる病気です。
1度発症すると一生病院に通って血糖値を適正値にコントロールし続けないといけませんが、この糖尿病も治療に来なくなる人が多いそうです。
で、その治療中断の理由で多いのが「怒られるのが嫌だから」だそうです。
我慢できずにお菓子やご飯を沢山食べてしまい「バレる」「怒られる」のが嫌で治療拒否状態になります。
そして数年後に「神経障害」や「腎臓病」も発症してようやく再来院するみたいです。
と、ギャンブル依存症に限った事ではありませんが、病気の治療において大事なのはどんな状況でも「治療し続ける事」だと私は思います。
最後に
スリップしても大丈夫。と開き直る事は明らかな間違いですが、スリップしたからと言って全てが無駄になる訳ではないと思います。
一生懸命向き合っていた人ほどスリップすれば、今までの治療が全く無駄であった様に思えたり、自分には止める事ができないと自己否定に走るかとは思いますが、それは大きな勘違いです。
スリップしたときに考えるべきは、今までの治療と自分を信じて、それが再発になる事を防ぐ事です。
何があっても一緒に治療を続けていきましょう!
それでは!