節酒とハームリダクションが与えるギャンブル依存症への影響

 

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今回はいつもにも増して超真面目な内容です。

 

最近依存症関連の話題も色々と出てきておりますが、今とあるものが依存症の医療現場でトレンドとなっています。

 

それが「節酒」です。

 

先日医療系の記事でこんなものが出ていました。

medical.nikkeibp.co.jp

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見出しに『トレンド◎治療目標に「飲酒量の低減」が加わったアルコール依存症治療』と書かれています。

 

今回はこのトレンドと、これがギャンブル依存症に与える影響について書かせて頂きます。

減酒薬について

事の発端となっている減酒薬については下記の記事に詳細を書いていますので、ご参照ください。

www.issyouhimitu.com

この薬がとうとう今月から発売となり、医療機関での処方が始まりました。

 

薬に補助してもらい、それで少しでもお酒の量を減らすことももちろん大切だと思いますし、これによって新しく病院を受診する人が増えるのはとても良い事だと思います。

 

ただ、これはあくまでも「薬」なので、全く効果が出ない人もいますし、当然副作用もあります。

 

今パッケージだけで騒がれすぎている事が、個人的にはとても怖いです。

節酒について

そして最近大きく変わったのがアルコール依存症の『治療目標』です。

 

今までの治療では当然「断酒」の一択でそれが大原則でしたが、

 

昨年の新アルコール・薬物使用障害診断治療ガイドラインから「飲酒量低減」という選択肢が追記されています。

 

そしてこの「選択肢」が1番不安視しているポイントです。

 

このままパッケージだけで薬が騒がれて、それを見た患者さんが病院にきて「減酒薬下さい」と言った場合、半強制的に減酒が治療目標になるかと思います。

 

貴重な外来時間を削ってまで「いや、本当は一生禁酒をしたほうが・・」などど説得されるとは考えにくいです。

 

そうやって安易に「減酒」という目標を選べてしまえる環境が、今まで禁酒をやってきた人の誘惑・妨げにならないかがとても心配です

ハーム・リダクションとは

また、この減酒を進めていく中で、併せて言われている考え方があります。

 

それがハーム・リダクションです。

ハーム・リダクション - Wikipedia

 

私も先日読者様に教えて頂きましたが、これは『危害(ハーム、 harm)を軽減する(リダクション、reduction)』という考え方のようです。

 

なので一辺倒に駄目!すべて辞めなさい!というのではなく、少しでも害を減らしていきましょう。という考え方です。

 

医療の分野では常に患者さんの「QOL(生活の質)の向上」というものが治療目標においかれているはずなので、そういった意味でもこの考え方はとても良いと思います。

 

ただ!

 

この良い言葉が先行しすぎて見失っているのが、既存の回復患者のQOLです。

 

先程も触れた通り、この考えが浸透して「節酒」が広まれば広まるほど、既存の「禁酒」をしている患者の誘惑(スリップの引き金)にならないかと心配になります。

 

そうすれば一気に既存患者のQOLは低下します。

 

これだけはなんとか防いでほしい・・防ぎたい・・。

 

以上が私がパッケージだけでこの薬が騒がれてほしくない理由です。

 

渡るべき人の所へ渡ってほしいと思います。

 

薬は魔法ではありません。

ギャンブル依存症治療への影響

そしてもう1つ懸念しているのが、ギャンブル依存症への影響です。

 

海外では、この「節酒」が治療目標に入った後に、ギャンブル依存症でも「コントロールギャンブル(適パチ)」が治療目標に加わりました。

 

今の日本の状況はキレイに海外の後追いをやっているので、間違いなく今後ギャンブル依存症の治療にも「適パチ」が入ってくると思います。

 

まさにハーム・リダクションの考え方です。

 

海外では既に動いていますが、治療効果はこのようなものです。

www.issyouhimitu.com

もはや何か変な力が働いてるのではないかと疑ってしまうような流れですが、昔予想していた通りにどんどん流れてしまっています。

 

今必死の思いでギャンブルを絶たれている方も今後このような流れが来る可能性はありますが、パッケージに惑わされず1日1日ギャンブルをしない生活を心掛けていきましょう。

最後に

 ・・・誰目線だ。

って感じですね。

 

書いていて、いつも思います。

 

1つ言い訳をすると、私は必死の思いで今ギャンブルを辞めている立場なので、怖いんです。

 

こうゆうのがどんどん出てくることが。怖いです。

 

せっかく今なんとかやめて、依存対象から離れている中で

 

「良い薬が出ましたよ」

「辞めなくても良いですよ」

 

という声はただの誘惑でしかなく、怖いです。

 

ギャンブル依存症に派生しないかずっと前からヒヤヒヤしています。

 

今は当然それでも一生やらないぞ、と思ってますし、もし出てきて危ないなと思えば対策も打ちますが、そういった負の側面もあるという事を知って頂きたく、こんな内容を書きました。

それでは。